東北における地域課題に取り組むリーダーを育成するプログラム「TOMODACHI ファミリーマート SDGs リーダーシッププログラム in 東北~東北から全国へ、そして世界へ~」。今年8月に始動したプログラムが一つの節目を迎えました。
12月9日に行われた「東北の未来をアップデートする!50名のU-30胸アツ大討論会 〜応援しあう東北スペシャルライブ〜」では、プログラム参加者である約50名のパネリストたちによる大討論会を開催。オンライン上にパネリストと視聴者合わせて180名が集い、東北の未来について熱く語り合った当日の様子をお届けします。
東北の次世代を代表するU-30のパネリスト50名による胸アツ大討論会
プログラムの集大成として開催された「応援しあう東北スペシャルライブ」では、スマートイノベーションラボ仙台からオンラインで全世界に配信。約50名のパネリストが「東北を持続可能な地域にするために今私たちが必要と思うこと」について意見を交わす大討論会の他、応援しあう東北における功績・貢献を讃える表彰式を実施しました。
パネリストは東北出身の方や東北に住んでいる方、他の地域に住んでいるものの東北に関わりのある方など、大学生から会社員まで様々です。それぞれが東北への熱い想いを抱きながら、自分と家族、そして地域のために何かを成し遂げようと一歩ずつ踏み出しています。
東北を舞台に活動しているパネリストたちの想いに触れた視聴者からは「東北が好きで、実際に現場で体や頭を使って励んでいる方がたくさんいるとわかり、情熱が伝わってきました」「皆さんが感じている想いを共有していただけたことで、自分の価値観が変わっていくのを感じました」などの声が寄せられ、盛り上がりを見せました。心温まる時間を過ごしたイベント当日の様子を振り返っていきます。
応援しあう東北のプロモーション動画で幕を開けたスペシャルライブ。プロモーション動画が流れ始めると応援メッセージがチャット上に寄せられました。大討論会ではゲストMCとして、女優/岩田華怜(いわたかれん)さん、ゲストコメンテーターとして、東京都市大学大学院 環境情報学研究科 教授/佐藤真久(さとうまさひさ)さんが一緒にイベントを進行してくれます。
◆ゲストMC
女優/岩田華怜さん
1998年生まれ、宮城県出身。2011年2月、AKB48第12期研究生オーディションに合格。
2012年、NHK東日本大震災プロジェクト「明日へ“支えあおう”」の東日本大震災支援チャリティーソング「花は咲く」に参加。
2014年6月に「笹かまの日大使」、宮城県栗原市「栗原ドリームアンバサダー」に任命された。2016年3月15日AKB48劇場にて卒業公演を行った。
現在はドラマ、映画、舞台を中心に女優として精力的に活動をしている。
◆ゲストコメンテーター
東京都市大学大学院 環境情報学研究科 教授/佐藤真久さん
1972年生まれ、東京都出身。筑波大学・大学院を経て、英国サルフォード大学大学院にてPh.D.を取得(2002年)。地球環境戦略研究機関(IGES)研究員、ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)のシニア・プログラムスペシャリストを経て現職。責任ある生活についての教育と協働(PERL)国際理事会理事、ユネスコ未来共創プラットフォーム座長、IGESシニアフェロー、上智大学大学院講師などを兼務。UNESCO ESD-GAPプログラム(PN1:政策)共同議長、国連大学サステナビリティ高等研究所客員教授、「国連・ESDの10年」ジャパンレポート有識者会議座長、認定NPO法人ETIC.理事などを歴任。協働ガバナンス、社会的学習、中間支援機能などの地域マネジメント、組織論、学習・教育論の連関に関する研究と実践を進めている。
応援しあう東北のメンバーが語る「プログラムを通して得られたこと・自分の中での変化」
まず初めにプログラムに参加しているメンバーの活動紹介へと進んでいきます。東北医科薬科大学 医学部1年生の小川泰佑さんは、“病院と地域を繋ぐコミュニティドクター”として地域医療に従事することを目標に、地域住民との交流や地元企業と一緒に図書館作りを計画中です。
プログラムに参加して得られたこととして「東北をテーマに活動している仲間たちと出会えたことによってお互いに応援しあう関係性が生まれ、自分の想いを形にすることができた」と話す小川さん。
学生ボランティア団体「manaco」に所属している伊藤優希さんは、宮城県の小中高校生を対象にオンライン上での学習サポートやイベントの開催、大学生を対象とした教育に関するイベントの開催など、団体メンバーと一緒にさまざまな活動を行っています。
伊藤さんは「コーディネーターの話を聞いて、自分が目指す社会は何か、今自分に足りないものは何かを少しずつ明確化することができたし、プログラムを通して自分の中で大切なキーワードを見付けられた」と今の気持ちを語ってくれました。
活動紹介の後は東北で活動する若者に向けて、著名人や政治家など、たくさんの方から届いた応援メッセージを紹介。福島県知事の内堀さんからも温かくて力強い声援が寄せられました。
東北の未来をアップデートする!50名のU-30胸アツ大討論会
「東北が持続可能な地域になるために必要なことは何か」を熱く語り合う大討論会では、ゲストMCとして岩田華怜さん、ゲストコメンテーターとして佐藤真久さんをお迎えします。
AKB48卒業後も地元である宮城県とどのように関わっていけるかを考えている岩田さんは、パネリストと同世代ということもあり、同じ目線で東北への想いを語ってくれました。地域の担い手育成やSDGsのプロフェッショナルとして活動している佐藤さんは、プログラムの中でセミナーやパネリストとセッションを行う場面も。応援しあう東北のメンバーには「心とアクションが繋がってる人が多くて、キュンとくる印象を受けた」と話す佐藤さん。
アットホームな雰囲気が出来上がる中、東北の未来の可能性を模索するべく大討論会が始まりました。
同世代との出会いが、アクションを起こすきっかけになった
最初のトークテーマは「なぜ東北のためにアクションを?」。チャットでパネリストにそれぞれの想いを書いてもらい、気になるコメントをピックアップしていきます。
「ボランティアやインターンシップを経験したときに東北の方々からたくさんの優しさをいただきました。その中で『また来てね』と言ってもらったことが嬉しくて、次は自分が誰かのためになりたいと思いアクションを起こしました」(渡辺さん)
「東日本大震災をきっかけにアクションを起こしました。被災地で自分の地域を良くしたいという想いを持った同世代に出会って、自分の地域や東北に貢献するようになりたいと思った」(木村さん)
木村さんの想いを聞いて「東北の大人たちが困難に負けず、もう一度立ち上がろうとした背中を見て、子どもたちも東北のために何かをしたいと思うようになったのかなと感じました」と話す岩田さん。アクションを起こした理由は一人一人違うものの、東北をキーワードに活動しているパネリストたちの想いを窺うことができました。
今まで続いてきた東北の文化や暮らしを残していきたい
続いてのトークテーマは「東北の守っていきたいもの、残したいもの」。次々とチャット上に書き込まれる中、気になったコメントにゲストが話を聞いていきます。
「文化や人間らしい暮らし、楽しいことを生み出したいと思う気持ち。建築物や食べ物、民謡・芸術など、その方が亡くなると一瞬で消えてしまうものがあるので、今まで続いてきたものを残していきたい」(志賀さん)
「町の人たちが自分の住んでいる町を好きでいること、自分の町を誇りに思う気持ちがずっと続いていってほしいし、それが町の魅力になると思います」(加藤さん)
他にも「豊かな里山!そこで暮らす人々や次世代と関われる交流の場!」「おいしく綺麗な水」などのコメントが寄せられ、チャットでは共感する声も。それぞれの東北の残していきたいもの、守っていきたいものを熱く語る時間となりました。
「変化」をキーワードにキャッチコピーを展開
最後のテーマは「20年後、30年後の東北にキャッチコピーをつけるとしたら?」 。チャット上では、「変わらない東北」「変化し続ける東北」「変わらないけど変わり続ける東北」という気になるワードが上がりピックアップしていきます。
「課題は何年経っても出てくると思いますが、課題をどうにかしたいと思う若者・大人のいる東北が、このまま変わらないでいてほしいと思いました」(中野さん)
「大事なものを残しつつ新しいものは取り入れて、新たなものを生み出して発展させる。そんな想いを込めて、“変化し続ける東北”にしました」(藤岡さん)
「東北に訪れたときの美しい景色、厳しい自然環境の中で生きていく暮らしは変わってほしくない。でも人口が減っていくことや社会の在り方自体は変わってしまうので、“変わらないけど変わり続ける東北”と付けました」(山越さん)
この他にも「キラキラ東北!」「好きが活動にできる東北!」といったキャッチコピーも上がっていました。
「応援しあう東北の名の通り、お互いに応援しながら相手が活躍していると喜んでいたり、何か困ったことがあれば寄り添っていたりする姿が見られたのはとても印象的でした」とプログラムを振り返っての想いを話す佐藤さん。
岩田さんは「東北の若者が熱い意見を持っている時点で東北の未来は明るいと感じた」と大討論会でのパネリストの熱量を受け取った感想を語ってくれました。今後の東北の未来を担うリーダーが誕生した瞬間です。
応援しあう東北における功績・貢献を讃える表彰式
写真左上から富樫 司さん、石牧 紘汰さん、松田 泰知さん。写真左下は山越 香恋さん、長友 海夢さん。
メインコンテンツを終え、約4ヶ月にわたって行われたプログラムにおける功績や貢献を讃える表彰式へと移っていきます。応援しあう東北の理念を体現した人に贈る「応援しあう東北賞」、世界に羽ばたいていただきたい方に贈る「TOMODACHI GO ABROAD賞」、東北の未来に向けて力強く発揮するソーシャルアクションに本プログラムを通じて取り組んでいただいた方に贈る「FamilyMart SDGsリーダーシップ賞」の各受賞者はこちらの方々です。
<応援しあう東北賞>
食品ロス×福島プロジェクト/富樫 司さん
<TOMODACHI GO ABROAD賞>
猪苗代湖ヒシの実 ブランディング推進事業/長友 海夢さん
<FamilyMart SDGsリーダーシップ賞>
・応援しあう東北のみなさんを「想いの見える化」で応援する/山越 香恋さん
・OHIRA SUSTAINABLE VILLAGE ヒト・モノ・コトが集まり循環できる村、大衡へ/松田 泰知さん
・宮城県!初!?こだわりのかぼちゃ専門農家/石牧 紘汰さん
受賞を知らされていなかった受賞者たちは驚きの表情を見せながらも、プログラムを振り返ってみての想いや感謝の気持ちを述べます。
応援しあう東北賞を受賞した富樫さん(写真右)
「僕だけの力ではなく皆さんのお陰なので何か返してきたいと思います」(富樫さん)
「さまざまな視点から自分にできることをコツコツと今後もできたらいいなと思っています」(長友さん)
「皆さんが温かく迎え入れてくれました。そして気がついたら自分がやりたいことを言い続けられる環境がありました」(山越さん)
「この先も大衡村で活動していきますし、このプログラムで学んだことはこの先ずっと活きてくると思っています」(松田さん)
「自分の困っていることを話したときに皆さんが一緒に考えてくれたことが刺激になりました。それがモチベーションに繋がって、かぼちゃ農家になる決意ができました」(石牧さん)
「おめでとうございます」の声で埋め尽くされるチャット。これぞ応援しあう東北の名の通り、ジブンゴトのようにお互いを応援しあう姿や、喜びの表情がオンライン上でも伝わり、参加者同士の絆の深さとこれからも続いていく関係性を垣間見ることができました。
▼参加者の活動内容は以下記事でご覧いただけます。
応援しあう東北のこれから
表彰式が終わった後は、イベントも終盤へと移っていきます。応援しあう東北のプログラムに参加したメンバーからは「周りには無理だと言われたことも、応援しあう東北では誰一人批判せず応援してくださいました。背中を押してくれる仲間がいたからこそ、『やってやるぞ』という気持ちが芽生え、計画が順調に進むことになりました」といった声や「今までは行動することに勇気が持てなかったのですが、応援しあう東北に参加して同志に出会い、アクションを起こすことができました」などの声が上がり、この4ヶ月間で応援しあう関係性が築け、新たな一歩を踏み出すきっかけが作れたのだと感じることができました。
プログラムは一つの節目を迎えたものの、これからも応援しあう東北のコミュニティを継続し、応援しあう関係性を続けていきます。“東北を世界で最も持続可能で誰一人取り残さない地域社会にしていく”。そんな想いを持って今後も活動を行っていきます。
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